大手百貨店が始めた不用品買取サービス
大手百貨店の三越伊勢丹が、不用品の買取サービスを始めました。お客が持ち込む時計やバッグ、衣類などを買い取ったり無料で引き取ったりするサービスです。
同百貨店が不用品買取サービスを始めたのは、幅広い客層が店舗に来るキッカケを作るためでもあります。買取相談窓口では、持ち込まれた不用品を百貨店が査定し、その場で買取額を提示します。
その金額にお客が納得すれば、その場で買い取ってもらえます。
買い取られたモノは提携会社が販売し、値段がつかないモノは三越伊勢丹が引き取るカタチです。因みに、衣料品に関しては提携先によってリサイクルされます。
三越伊勢丹は、不用品買取サービスを始めるに際し、一年間の実証実験を行っていました。その実験で分かったのは、買取サービスが新たな購買行動を呼び起こすということです。買取サービス利用者の8割以上が、店内で新たに商品を購入していました。
国内のリサイクル・リユース市場は、年々規模が拡大し続けています。その背景には、メルカリなどのSNS型買取サービスの普及があります。
方や三越伊勢丹は、富裕層とのつながりを強みとしており、独自の買取ネットワークを構築しています。外商顧客向けには出張買取に力を入れており、引越しや終活などの整理に喜ばれているということです。
百貨店側は顧客が購入した商品情報を活用することで、タイミングよく買取サービスの提案ができると言えます。百貨店全体の売り上げが低迷する中、ブランド力だけで生き残るのは難しい面があります。
三越伊勢丹は生き残り戦略として、顧客との新たな接点構築を図っています。不用品買取サービスはその一環であり、同百貨店の危機意識を象徴するものです。